弁護士 田村優介@HatenaBlog

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アンチ「ブラック」経営改善支援弁護団「ホワイト弁護団」設立のお知らせ

2013年9月25日,当事務所の大川原栄弁護士が代表となり,アンチ「ブラック」経営改善支援弁護団「ホワイト弁護団」設立がなされ,同日記者会見を行いました。

ホワイト弁護団ウェブサイト http://white-bengodan.jp/

城北法律事務所は、ホワイト弁護団の窓口として、相談受付業務を午前10時から午後6時まで行います。

 【経営改善支援(ホワイト化計画)についての相談受付】
  開始日時:9月26日以降(平日午前10時〜午後6時)
  受付電話:03−3988−4866(城北法律事務所)

NHK「首都圏ネットワーク」にて報道がなされております。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130925/k10014801963000.html

記者会見での配布資料は下記のとおりです。

アンチ「ブラック」経営改善支援弁護団「ホワイト弁護団」設立について

<弁護団概要・行動指針>


① ホワイト弁護団は、アンチ「ブラック企業」(ないしアンチ「ブラック的企業」)を目指す企業の経営改善支援(=ホワイト化計画)を行い、適法かつ経済的合理性に基づく当該企業の中長期的経営の安定化を目指します。


② ホワイト弁護団は、一定の経営改善が行われた場合にその経営改善に応じた「ホワイト認証」を行い、また、既に労働関係法令を実質的に遵守している企業についてもその程度に応じて「ホワイト認証」を行います。


③ ホワイト弁護団は、真剣に経営改善をしようと考えている企業の経営改善支援を専門家チームにより一時的ではなく継続的に行います。


④ ホワイト弁護団は、いわゆる「ブラック士業」とは対極にある専門家チームとして経営者に真正面から真剣に「モノを言う弁護団」であり、ブラックを取り繕うため、あるいは一時的誤魔化し等のための経営改善支援は行いません。


⑤ ホワイト弁護団は、アンチ「ブラック」(ホワイト化)こそが企業経営の経済的合理性に合致し、結果的には当該企業の将来的健全発展に寄与するとともに、所属労働者の権利擁護にも繋がると確信しております。


 【経営改善支援(ホワイト化計画)についての相談受付】
  開始日時:9月26日以降(平日午前10時〜午後6時)
  受付電話:03−3988−4866(城北法律事務所)


1 ホワイト弁護団の設立趣旨及び目的

 (1) 「ブラック」企業根絶の必要性
   いわゆる「ブラック企業」の存在・実態が社会的に明らかにされる中で、全国各地で被害者支援活動を行ってきた弁護士は全国レベルでの被害者支援のネットワークである「ブラック企業被害対策弁護団」を結成し、また、厚生労働省は9月からハローワークに相談窓口を設置するとともに、全国で4000社を対象とした実態調査を行っております。
   ブラック企業は、いわば労働者の屍を踏みつけ(過労死・過労自殺)、労働者の生き血を啜りながら(残業代の未払、サービス残業)利益を重ねる存在であり、本来自由競争原理の中で排斥されるべきであるにもかかわらず、平然と生き延びている存在です。当弁護団は、ブラックと称される企業が当該企業の規模・知名度にかかわらず、それを故意・悪意を持って行ってるのであれば、それらの企業あるいは経営者は当然に民事・行政・刑事責任を問われるべきであり、また、社会的にも厳しく断罪されるべきであると考えております。


 (2) 「ブラック」企業潜在化防止の必要性
   このような中で、被害者支援をしている弁護士から、「個別事件での被害者救済は可能であるが、それによってブラック企業がなくなるわけではなく、事件が終わればブラック企業との関わりがなくなってしまい、結果的にはその企業は放置されてしまう。」との懸念が表明されております。また、労基署が何らかの「指導」「監督」をしたとしても、対象企業が具体的にどのような経営改善策をとるべきかの「指導」「監督」が行われることがないのが実態です。
   ブラック企業、ブラック的企業の中には、それを故意・悪意を持っている企業とそこまではいっていない企業が併存しているのがもう一つの実態でもあると考えられます。故意・悪意の企業はもはや救済の余地はないといえますが、そこまでいっていない企業について、被害者がブラック企業に対して個別的な訴訟を提訴し、また、労基署ブラック企業名を公表したとしても、ブラックから脱出するための経営上の具体的方法がない限り、ブラック的体質がそのまま放置され潜在化してしまう可能性すらあります。このことから、「ブラック」企業の中の一部であってもそれを「経営改善」という側面で支援する必要性があると考え
ます。


 (3) 「ホワイト化」を望む経営者要望への対応
   ブラック企業と称されている企業の経営陣が、法的な知識が乏しい、あるいは従業員等からの「ブラック」という指摘を受けてもどうしたらよいか分からないが何とか指摘されるような「ブラック」から脱したい、そして、何らかの改善をしてブラック企業と言われないようにしたいと真剣に考えるのであれば、法律家としてそれを放置、見放すことは不適切であり、社会正義にも反することになります。
   そこで、ブラック企業、ブラック的企業あるいはブラックと指摘される可能性のある企業の経営陣が、真剣に経営改善を希望し目指したいということであれば、その要望に沿った弁護団が存在してしかるべきであると考え、ブラック企業を限りなく「ホワイト」に近づけるためのアンチ「ブラック」経営改善支援弁護団(ホワイト弁護団)の設立に思い至りました。


 (4) 企業経営の経済的合理性の確立及び正当な自由競争原理の実現
   企業のアンチ「ブラック」に向けた経営改善支援(ホワイト化計画)が、企業経営の経済的合理性に合致し、結果的には当該企業の将来的健全発展に寄与するとともに、所属労働者の権利擁護にも繋がると確信しております。
   そして、このような動きが現実化することにより、既に労働関係法令を実質的に遵守している企業(ホワイト企業)を励まし、同時に、自由競争原理の前提となっている法令遵守(コンプライアンス)無視のブラック企業を市場経済から排斥することにより、本当の意味での正当な自由競争原理が実現することになると考えております。


2 ホワイト弁護団の基本スタンス

 (1) 当弁護団は、当弁護団の経営改善支援がいわゆる「経営者の立場」でそれらを行う必要があることを当然に理解し、各種労働法制に反しない範囲において労働者の利益と対立することがあることを容認します。

 (2) 当弁護団は、原則として個別案件だけの相談には乗りませんが、例外的に個別案件に関わることで経営改善の方向性に繋がる可能性がある場合には個別案件の相談に乗り、また、個別案件解決に向けて受任することもあります(なお、例外的場合において、利益相反の可能性があれば、当然に回避措置等をとります。)。

 (3) 当弁護団は、被害者支援を行っている弁護士あるいは弁護団と可能な範囲かつ必要とされる情報交換等を行いますが、同弁護士あるは同弁護団と馴れ合うことはありません。


3 ホワイト弁護団の活動予定

 (1) 個別企業への対応
・経営改善(労務政策等)に関する相談活動
・経営改善支援の受任(あるいは法律顧問就任)による経営改善(労務政策等)に対する継続的助言と指導
・社内・社外取締役就任による経営改善(労務政策等)に対する継続的助言と指導


 (2) 経営改善支援、及び「ホワイト認証」システムの導入
  ① 経営改善の相談と経営改善業務の受任の検討
  ② 実態把握(関係書類の整備状況、法令順守状況)
  ③ 経営者の意向確認
  ④ 全労働者からの事情聴取
  ⑤ ①②③④を踏まえた経営改善策(ホワイト化計画)の検討
  ⑥ ホワイト化計画の実行とチェック
  ⑦ 実行状況を踏まえた「ホワイト認証」申請
  ⑧ ホワイト度の検証(検証担当者=経営改善支援担当者とは別の弁護士・社労士)
  ⑨ ホワイト認証可否の検討(ホワイト認証検討委員会)
     ☆〜☆☆☆の3段階格付
  ⑥ ホワイト認証書の交付(希望に基づきホワイト弁護団サイト・「ホワイト認証」企業リストへのアップ)

 (3) 経営改善セミナー等の開催

 (4) 経営改善支援に関する書籍等の出版


4 ホワイト弁護団の構成員及び経歴等
  当弁護団所属弁護士は、労働事件につき労働者側及び経営者側で事件を担った経験のある弁護士です。また、現在、複数企業の法律顧問も務めており、日常的に顧問先会社からの労務管理等の法律相談を受け、助言・指導等を行っております。
  当弁護団が提携する社会保険労務士は、就業規則作成・改定業務を含む労務管理全般に精通した経験豊富なエキスパートであり、さらに、必要に応じて税理士等による税務指導・対策も行います。
  当弁護団は、当面、東京都内在職のメンバーで構成しますが、今後の展開次第では全都・全国の弁護士・社労士・税理士等に参加を呼び掛ける予定です。


 <弁護団の主な弁護士(経歴等)>
 ○ 大川原 栄(代表)
  薬害エイズ訴訟弁護団、ライブドア株主被害訴訟弁護団、IHI粉食決算被害株主訴訟弁護団等の弁護団に所属、多数の労働事件(労働者側、会社側)を担当。外国車販売会社、建設会社、医療・福祉法人等20社を超える企業・団体の法律顧問を務める。
 ○ 田見 高秀(副代表)
  オンブズマン訴訟弁護団、生活保護訴訟弁護団等の弁護団に所属、多数の労働事件(労働者側、会社側)を担当。東京労働局・個別労働関係紛争(元)あっせん委員。
 ○ 田場 暁生(副代表)
多数の労働事件(労働者側、会社側)を担当し、労働法セミナー講師などの経験も豊富。
 ○ 外7名の弁護士も多数の労働事件(労働者側、会社側)を担当。